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と思います。
特に、優先性が高い問題として、共通の関心を持つべき課題として合意された課題が12あります。それを挙げたいと思います。
まず、1)貧困の女性化が進んでいるということ。2)貧困になると女性が一番負担を負うという点が確認されました。また、教育についても不平等、アクセス上に不適切な配分があるということが確認されました。3)ヘルス・ケア関連サービスにおいても、不平等、特に、女性が十分に利用することができない問題が指摘されました。また、4)女性に対する暴力についても新たに問題提起されました。それから、5)外国の占領下、あるいは衝突地域に住む女性たちの苦しみについて関心が集まりました。6)経済構造、政策において、7)またすべてのレベルで権力の行使、意思決定を行う場合に男女の平等が確保されていないと指摘され、また、8)女性の地位向上を促進するためのメカニズムが不十分であると言われました。9)女性の基本的な人権、その維持、擁護、保護についてもまだ十分な配慮がなされていないということが確認されました。特に、1O)マスコミが女性の不平等について、あまりにもステレオタイプな考え方に基づいて事を取り上げているということが指摘されました。それからジェンダー、天然資源の管理、11)環境の保全についても男女の不平等があるということが言われ、最後に、12)女児に対する暴力が絶えないということが改めて問題として指摘されました。

 

次に、行動綱領についてお話しいたします。
北京会議の前から私が申し上げていたことですが、北京の女性会議は、開催前からすでにその1つの目標を達成いたしました。それは、ジェンダーの問題について世界的に意識を高め、少なくとも問題提起と議論をすることができた、ということです。
第4回世界女性会議がなければ、女性と女性問題に関する議論はあそこまで盛り上がらなかったと思いますので、北京に至るまでの過程が非常に重要であったという気がいたします。そういった意味で北京会議は1つの目標を達成したと思います。
1996年9月15日、午前4時45分。はっきりと覚えています。早朝、会議の総会で北京宣言と行動綱領が承認されました。本当に皆でこれを成し遂げたという達成感がありました。しかし、会議がどんなに成功したとしても、やはり最後に問われるのは実行であり、実行されて初めてその成果が評価されるものと思います。
それでは、これまでに何を成しえたのでしょうか。まず初めに第4回女性会議の宣言及び行動綱領を国連全体としてフォーローアップしようという決議案が国連総会の場で出ました。そしてこれが、3月に行われる女性の地位委員会で討議されるメインテーマとなります。

 

 

 

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